給与ファクタリングについて
給与債権を買い取る名目で金銭を貸し付け、給与が支払われた後に、当該給与から返済をさせる、新手のヤミ金です。
給与ファクタリングとは、ファクタリングのスキームを個人に当てはめ、個人が勤務先に対して有する給与(賃金債権)を、給与の支払日前に一定額の手数料を徴収して買取り、給与が支払われた後に、当該個人を通じて債権の回収を行う、といった手法です。
目次
金融庁の見解
令和2年3月5日に、金融庁から、給与ファクタリングのスキームは貸金業に該当すると考えられる、との見解が公式に示され、その後、それを踏まえた下級審判例も随所で出されることにより、給与ファクタリングのスキームを利用した業者はほぼ壊滅状態となっています。
刑事事件として摘発
各地で民事の集団訴訟などは現在(令和3年9月現在)も進行中。刑事事件としては、給与ファクタリング業者は続々と摘発事例が挙がってきています。
金融庁の見解(抜粋)
貸金業該当性に係る考え方の概要
労働者が賃金債権を譲渡した場合でも、労働基準法の規定により、使用者は直接労働者に対し賃金を支払わなければならず、賃金債権の譲受人は、自ら使用者(労働者の勤務先等)に対してその支払を求めることは許されないと解されているため、給与ファクタリングにおいては、賃金債権の譲受人は、常に労働者に対してその支払を求めることになります。 そのため、給与ファクタリングでは、譲受人から労働者への金銭の交付だけでなく、譲受人による労働者からの資金の回収を含めた資金移転のシステムが構築されているということができ、これは経済的に貸付けと同様の機能を有しているため、給与ファクタリングを業として行うものは、貸金業に該当すると考えられます。
金融庁:https://www.fsa.go.jp/